FLASH村の開拓
動機はコロナウイルスだった
FLASH村は、今もなお猛威を振るうコロナウイルス感染症の感染拡大により出来上がったダートコースである。国内の主要レースで活躍するレーシングチーム「Team MF」のプライベート練習場としてダートコースを作り始めたのがFLASH村の起源である。
時は2020年に遡り、コロナウイルス感染症第一波の真っ只中。国内の各種イベントや商業施設が休業となった時期であり、レース業界も例外ではなか
った。各サーキット施設も休業となり、レーシングライダーたちは活動自粛。しかしながら、自宅だけでは練習することができないのが現実であった。そんな中、「どうにか自分たちが練習する場所を確保できないだろうか?」と悩むうちに、「場所がないなら作ってしまえばいいじゃないか!」という逆転の発想からダートコースを一から作り始めたのである。
練習場が完成
ただの畑からダートコースへ
今、FLASH村がある場所は、長年放置されていた畑の跡地であった。開拓作業を始めた当初は、雑草が深々と生い茂り、人が踏み入ることすらできない状態だった。まずは大掛かりな草刈りから作業は始まった。草刈り機で雑草をバッサバッサとなぎ倒し、刈り取った草をゴミ袋に詰めるという作業を繰り返す日々。休日にはチームスタッフが駆け付け、
土にまみれながらも仲間と力を合わせ順調に作業は進んでいった。それと同時に、ふかふかな地面を固める作業を行っていった。地元農家の方から農作業用のトラクターを借り、ひたすら踏み固める作業。およそ1か月の作業期間を経て、ようやく走行できる状態となり、Team MFのメンバーが練習するためのプライベートコースとして使用し始めた。
プライベートコースを一般開放
気軽に楽しめる場所に
チーム員向けのプライベートコース完成からおよそ半年、コロナウイルスの感染が落ち着いてくると、多くの方々から「FLASH村を走行してみたい!」「一般開放してほしい!」という意見が寄せられるようになった。しかしながら、一般開放するには行政上の問題をはじめとして様々な障害があり、すぐには実現することはできなかった。
その後数か月かけて問題を一つ一つ解決し、2020年10月に「FLASH村」としてようやく一般開放することができた。
一般開放された当初は、ロードレース関係者やダートトラック経験者の利用が大半を占めていたが、最近ではツーリングライダーやダート走行未経験者の利用が増えてきている。